第9回スキー場の安全対策に関する講習会

2011年1月26-27日に野沢温泉スキー場で行われた「第9回スキー場の安全対策に関する講習会」に参加してまいりました。

概要をお伝えいたします。

主催
財団法人日本鋼索交通協会
財団法人全日本スキー連盟
日本スノーボード協会
日本スノーボード産業振興会

1日目/講義:野沢温泉アリーナ

【日本のスキーパトロールとスキー場】
講師:SAJ教育本部専門委員 安全対策部 上平尚プロモート委員長
SAJでは公認パトロール研修会の講師等などを務められ、安全対策関係の重要な立場で活躍しておられます。

【スノースポーツの傷害事故について】
講師:JSBA安全対策部 塩谷英司渉外副委員長(昭和大学附属豊洲病院整形外科講師)
昭和大学整形外科石打丸山診療所でスノースポーツ外傷の対応を行ったり、全日本スノーボード選手権に帯同して、選手のケガの対応を行ったりしておられます。

【スキー場における雪の安全管理】
講師:Expedition Skiing 代表 有元崇浩氏
シャルマン火打の支配人で、非圧雪コースを開放した方。そのときのから、スキー場パンフレット等にバウンダリーの表示やResponsibility Codeを表記しています。
私の知る限りでは、"バウンダリーの表示"や"Responsibility Code"をスキー場パンフレットに記載したのは、有元さんが日本で初めてだと思います。
Yamabokuワイルドスノーパーク統括マネージャーであり、雑誌での連載も担当するなど、幅広く活動しておられます。

【訴訟に負けないスキー場のリスクマネジメント】
講師:福井大学 水沢利栄准教授
スキー場事故について古くから研究しておられます。とくに、北米のスキー場の安全対策はどのようなものとなっているのかについてはとても詳しく、日本のスキー場でも参考にすべき事例研究が数多くなされています。

【スノースポーツ重大事故の推移について】
講師:中央大学 布目靖則准教授
スキー場での重大事故について、データベースを作成しておられます。
大変貴重なデータで、今後活用させていただくこともあろうかと思います。

【野沢温泉スキー安全条例について】
講師:坂東法律事務所 坂東克彦弁護士
スキー場の訴訟対応で坂東先生の右にでる者はありません。今回も色々とお世話になりました。

【宿泊・懇親会】
おしゃれゆかたと野沢菜づくしの宿「かわもとや」様、お世話になりました。

2日目:野沢温泉スキー場

【雪上研修】
山頂へあがり、野沢温泉スキー場のゲレンデ管理について説明を受け、その後はそれぞれにスキー場内を視察しました。

【スノースクート試乗】
日影ゲレンデのベースでは、スノースクートの試乗を行いました。
SBJニューウインタースポーツ研究委員会ユングニッケルさん他の皆様、指導してくれた我満さん、ありがとうございました。

+終了式を行い、解散。

【国内スキー等安全基準検討会】
第一回目のの検討会ということです。
私はメンバーではありませんでしたが、傍聴させていただき、発言する機会もいただきました。

「国内スキー等安全基準」は1989年に全国スキー安全対策協議会によって制定され、1994年の改訂版が現行のものとなります。

制定された頃と比べ、スノースポーツの環境はかなりの変化がありました。
スノーボードの一般化、スノーボードクロス・スキークロス・ハーフパイプ・スロープスタイルなどの新種目の登場、ニューウィンタースポーツと呼ばれるスキーやスノーボード以外の用具の登場、スノーパークを設置するスキー場の増加、などが挙げられます。

これらによって、基準が現状に対応出来ていないものとなってきています。
そのような事情を考慮して、より良いものが出来ればと思います。

最終結論まではまだまだ時間がかかりそうですが、スノースポーツをする人の安全を守るため、スキー場の安全対策の指針として、十分な論議のもと、時代にあった改訂がなされることを願います。


以上、大変有意義な会となりました。
関係各位に御礼申し上げます。

参加の皆様、お疲れさまでした。

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