中学生の胸に硬式ボールが当たり死亡

YOMIURI ONLINE:高校硬式野球部員との練習で胸に球、PL学園中学3年死亡
1日午後2時30分ごろ、大阪府富田林市新堂の私立PL学園高校の野球グラウンドで、同学園高校の硬式野球部員と練習をしていた同学園中学3年で軟式野球部員の*君(15)が、左胸に硬式ボールを受け、意識を失い倒れた。
熊谷君は硬式野球部のトレーナーの心臓マッサージを受けた後、病院に運ばれたが、約7時間後に死亡した。
府警富田林署の調べでは、熊谷君は同級生2人とともに硬式野球部員46人の練習に参加。事故当時、熊谷君は内野で守備練習をしており、受けそこなって胸に当たったボールを一塁に投げた後、倒れたという。同高校には自動体外式除細動器(AED)があったが、使用していなかった。
府高野連によると、私立の中高一貫校の場合、中学大会終了後なら、中学3年生が高校の部活動に参加しても問題はないという。(2007年9月2日0時34分 読売新聞)
以前公園でキャッチボールをしていたところ、それたボール(軟式)が遊んでいた他の児童の胸にボールが当たり死亡するという事故が起きました。

一審(仙台地裁)では心臓に衝撃が加わり心停止する「心臓震とう」と認定し、被告(キャッチボールをしていた少年2人の両親)に6000万円の賠償命令、2審(仙台高裁)で和解が成立しました。

一審判決は「男児が球を胸に受け、心臓振とうを引き起こして死亡したと認定できる」とし、「球を投げた男児らは、危険な場所でのキャッチボールを避ける注意義務があった。投げたのが小学生とはいえ、人の死を招くこともあり得ることは一般人なら十分に予測できる」と予見可能性を認めた。
死因として挙げられた「心臓震盪」は胸部に衝撃が加わったことにより心臓が停止してしまう状態です。
胸部に衝撃が加わる事により心室細動が誘発されるとのことです。

であれば、AED(自動体外式除細動器)を使用した一次救命ができれば、助かった可能性もあります。


2004年7月から一般市民のAED使用が認められています。

それから3年。
少なくともスポーツ指導者はAEDの使い方を知っておかなければなりません。
キャッチボール事故の判決があったのですから、心臓震盪の危険性も把握しておくべきです。

せっかくあるのに使えない、使うべき場面が想定できない、というのではあまりにもお粗末と思いますが・・・


亡くなられた方のご冥福をお祈りします。


心臓震盪については下記サイトが参考になります。
心臓震盪(しんぞうしんとう)とは?



==追記==
asahi.comによると、
グラウンドには、心臓に電気ショックを与えて救命措置を施すAED(自動体外式除細動器)はなく、約1キロ離れた体育館に副部長が車で取りに行ったが、戻った時には救急車が到着していたという。
となっています。

体育館などのAED設置場所からグランドが離れた場所にあるなら、グランドにも設置すべきでしょう。
予算の問題などあるのでしょうが、救える可能性のある命、大事にしてほしいものです。

AEDがあったのに使わなかった理由がこのような事でしたので、上記の意見は的外れなものになってしまいました。

が、一般的な意見として残しておきます。

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