スノーボーダーがジャンプ台でジャンプした後、下にいた女の子に重傷を負わせた事故の裁判で無罪判決

美川スキー場でスノーボーダーがジャンプした際、着地点付近で転倒していた女の子に衝突し、女の子が重傷を負った事故について、刑事裁判で無罪の判決が出ています。



6歳の女の子がどのような経緯でジャンプ台の下にいたのか?
直前に飛んだ人はこの女の子に全く気づかなかったのか?
ジャンプ台の周辺が途中からの侵入を防ぐためにネットやロープで規制されていたか?
事故現場のコースがいわゆるパークになっているのかどうかもわかりません。

加害男性の直前にジャンプした人が女の子の存在を認識していなかったのなら、女の子は加害男性がジャンプする直前に横から入ってきた可能性が高いです。

と考えれば、加害男性はジャンプ台に入る前に女の子が横からジャンプ台の下に入っていくのを発見できたのでは?

女の子がしばらく転倒したままでいて、前に飛んだ人が単に見落としただけ、もしくは認識していたが、後方への注意喚起などをしなかったのかもしれません。



ジャンプするときは、前の人がちゃんと着地したかどうか確認することが好ましいです。

ジャンプ台はスキーヤー・スノーボーダーがジャンプするためのものです。
そして、ジャンプ台の下は上からは見えなくなっているというのは当然のことです。

一旦ジャンプしてしまったら途中でコントロールして停止することなど不可能です。
また、ジャンプ台下に一定時間とどまっている人がいたらこれは避けることはできません。

ですから、ジャンプ台を利用しない人は、ジャンプ台周辺がネットやロープで仕切られていなかったとしても、ジャンプ台の下には入り込まないことです。

もちろんジャンプで転倒した人も出来る限り素早くそこから移動しなければなりません。

これは自分の身を守るためでもあり、ジャンプしてくる人を危険にさらさないためでもあります。


パークやハーフパイプでの単独事故もかなり多いです。

パークなどのジャンプ台を利用する際のルールを本格的に考えていかないといけない時期に来ていると思います。

このような動きもありますが、まだまだ浸透していないですね。
SBJ:SMARTSTYLE

こちらは本場アメリカ
SMART STYLE

この辺も参考に
Terrain Park Rules
Terrain Park Etiquette (rules)



ケガをされたお子さんが回復されることをお祈りします。

コメント

  1. 匿名06:32

    別途リンクされている判例のほうも拝見したが、民事のほうは訴訟が起きているのでしょうか? ご存じでしたらお教え頂ければ幸いです。
     
    国内のスキー場事故については、長らく「自己責任」という言葉が索道事業者側およびその弁護士から過度に主張され、結果、スキー場側の「事業者責任」が軽んじられてきたと感じております。
     
    今回の事例は、スキー場=滑走環境を提供する事業、というとらえ方をするならば、明らかに、ゲレンデ・マネジメントが稚拙であることが、事故の背景としてあります。そして、それを指摘、追求、責任の範囲を明快に示す判決がでない限り、安全なスキー場はできないのではないでしょうか?

    お考えをお教え頂ければ幸いです。
    槿花

    返信削除
  2. >匿名様
    コメントありがとうございます。

    この事故に関して、民事裁判も継続中のようです。


    >>国内のスキー場事故については、長らく「自己責任」という言葉が索道事業者側およびその弁護士から過度に主張され、結果、スキー場側の「事業者責任」が軽んじられてきたと感じております。

    ■スキー場としては、その程度にかかわらず安全管理は行っています。
    (何ら対策をやっていないところは、救いようがありません。)

    過去にスキー場が訴えられた事例や海外事例などを元に、少なくともそれらの判断に沿う形では、様々な対策をとってきていると思います。

    ですから、民事裁判を起こされれば、スキー場の対応は法的責任を負わない、もしくは被害者に大幅な過失があることを主張するのは当然だと思います。



    >>今回の事例は、スキー場=滑走環境を提供する事業、というとらえ方をするならば、明らかに、ゲレンデ・マネジメントが稚拙であることが、事故の背景としてあります。

    ■この事故はジャンプ台を利用しないスキーヤーが、ジャンプ台の下へ入り込んでしまったことが発端になっていますが、そういったことはある程度予測される事態と思われます。

    単に入り込んだだけでなく、ジャンプ台下で転倒後一定時間そこにとどまっていたことについては、不測の事態かもしれませんが。

    現場の状況は判決文でしか把握していませんので「明らかに稚拙」かどうかは分かりませんが、ジャンプ台のあるようなところでは、一般コースとはセパレートしておくか標識を掲げるなどしたほうがより安全であることは言うまでもないでしょう。

    逆にジャンプ台を飛んだ後、スキーヤー・スノーボーダーが一般コースへ流れてこないようにするためにも、セパレートしておくのが安全だと思います。


    ■とあるスキー場で、一応ネットでジャンプ台やアイテムのある部分をセパレートしてあるのですが、ジャンプ台のすぐ下のところでネットが一旦途切れているところがありました。

    問うたところ、ジャンプ台を飛ばない人がこの下方にあるボックスを利用出来るように、という理由でした。

    途中から入れるようにするにしても、ジャンプ台の真下を開けておくのは危険度が高い、ということは率直に申し上げました。



    >>そして、それを指摘、追求、責任の範囲を明快に示す判決がでない限り、安全なスキー場はできないのではないでしょうか?

    ■「安全なスキー場」というのがどの程度の安全性を備えたものを指すのかわかりませんが、そのような判決がなくとも、安全管理能力が高ければ実現できると思いますし、そうしなければならないと考えます。


    ■事故が起きたあとに、スキー場に責任を問うことは当然ですが、まずは事故に遭わないための知識を持っておくことも重要です。

    自然の地形を生かしたコースである場合には、立木やその他の障害物があったとしても、それらを避けるのはスキーヤー・スノーボーダーの責任でしょう。

    ジャンプ台などが設置されているのであっても、それは眼に見えているのですから、危険回避のためには近づかないことです。

    事故にあって痛い目に逢うのは自分です。
    裁判で勝ったとしても、死亡したり重度障害を負ったりしては、決してお金では解決できる問題ではないでしょう。

    危険は自分で避ける、が基本と思います。

    自分だったら絶対にそうしますが、そうは思わない人も現にいるわけで、そうした危険性の告知はスキー場サイドに求められることです。

    返信削除
  3. 一部修正です。

    「事故が起きたあとに、スキー場に責任を問うことは当然ですが、まずは事故に遭わないための知識を持っておくことも重要です。」



    「事故が起きたあとに、スキー場に責任を問うことは可能ですが、まずは事故に遭わないための知識を持っておくことも重要です。」

    返信削除

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