フィギュアスケート 羽生選手の強行出場に疑問

羽生選手の怪我の件、私は「すごい!よく頑張った!」などととても喜べません。

羽生選手、転倒の際に脳震盪を起こしてなかったでしょうか?

痛みもあったと思いますが、ボーっとしていた状態が暫く続いていたせいで、なかなか立ち上がれなかったように見えます。

ボーっとしていた状態は、軽度の脳震盪に該当する可能性が高いです。

脳震盪は、軽度だからって侮ってはいけません。



セカンドインパクトシンドローム
短期間のうちに二度目の脳震盪を起こすと、致死率が高くなります。
致死率50%以上ともされています。

脳震盪の危険性については、私のブログでもなんどか、書いたことがあります。 http://m244.blogspot.jp/2005/03/blog-post_07.html
http://m244.blogspot.jp/2007/10/blog-post.html
http://blogs.yahoo.co.jp/office_m244/40479486.html

最初の記事は2005年ですね、もう約10年前になります。


2012年にスキージャンプの高梨沙羅選手が、転倒で脳震盪を起こしたことがありました。

このとき20分ほどの意識障害があったのです。
そして、数日後に練習再開という、とんでもないニュースを耳にしました。

それでも、誰もなんとも思わなかったのか、スキー界では脳震盪対策の話を聞きません。


ラグビー・アメフトなどの団体スポーツ、ボクシング・柔道(柔道で対策されはじめたのは比較的最近のことでした。11/11訂正)などの個人競技、いずれも激しい衝突を予定しているスポーツの競技団体では、随分前から脳震盪対策をしてきています。

ラグビーの場合(JRFUサイトより)
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IRB 競技に関する規定
http://www.rugby-japan.jp/laws/rule/law_10.html

第10条 医学関連事項
10.1 脳震盪
10.1.1 脳震盪を起こしたプレーヤーは、受傷後少なくとも3週間、試合またはトレーニング・セッションに参加してはならず、再び参加する場合は、適切な医師の診察後、症状がなく参加できる状態であるとの所見を得てからのみ参加できる。当該所見は、そのプレーヤーの診療を行った人により作成された書面の報告書に記録されなくてはならない。
10.1.2 規定10.3の場合を除き、上記の3週間という期間は、適切な資格を有し、世間に認知されている脳神経科の専門家が適切な診察を行い、当該プレーヤーが症状もなくプレーするに適している状態であると認めた場合、短縮することができる。当該所見は、そのプレーヤーの診察を行った資格を有し認知されている脳神経科の専門家により作成された書面の報告書に記録されなくてはならない。
10.1.3 年齢別のラグビーにおいては、3週間の期間は必須のものとする。

註記)脳震盪は、頭部または顔面に打撃を受けたとき、脳が負傷することにより生じる。脳震盪は、意識喪失の時間がなくても生じている場合がある。脳震盪の症状には、以下のいずれかが含まれる:
意識喪失              めまい、または、ふらつき
記憶喪失              嘔吐
錯乱状態及び見当識傷害       頭痛
物が二重、または、ぼやけて見える
負傷時に起きたことを、わずかな時間でも覚えていなければ、その選手が脳震盪を起こしている、または、起こしたという最もたしかな症状である。

==========
IRB脳震盪ガイドライン
http://www.rugby-japan.jp/about/committee/safe/concussion/index.html

脳震盪に関して

  • 脳振盪に関して • 脳振盪は、脳の外傷である。
  • 脳振盪はすべて、深刻なものである。
  • 脳振盪は、意識消失を伴わずに起こることもあり得る。
  • 頭部外傷の後、なんらかの症状があるアスリートはすべて、プレー、または、練習を止め させて、また、すべての症状が消えるまで、活動に戻ってはならない。
  • 特に、脳振盪の疑いがある日にプレーに復帰することは禁じられている。
  • 確認して止めさせることは、よりひどい外傷や死亡に至ることを防ぐことになる。
  • 脳振盪が原因で死亡することがある。
  • 脳振盪のほとんどが、身体的および精神的な休養により、回復する。


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JRFU脳震盪/脳震盪の疑いの取り扱い〜段階的競技復帰プロトコル
http://www.rugby-japan.jp/laws/2011/img/1107/attached.pdf

==========

ラグビーでは軽度〜重度の区別をせずに一律に、原則として3週間は競技に復帰してはいけないのです。

フィギュアスケートだって、転倒の際には脳震盪や頭部外傷の可能性も高いでしょう。
少なくとも24時間は安静に過ごすべきなんです。

それなのに、羽生選手は約10分後に練習再開、転倒を繰り返していた。。。。

すべてのスポーツ団体は、脳震盪のリスクを正しく評価すべきです。

羽生選手や、高梨選手はアスリートですから、自分が大丈夫と思えば試合に「出たい」というのは当然です。

ルール化して強制的に制限させ、選手生命を守ってあげるのが競技団体の役割かと思います。

それともあれですか、何かあったときは本人の責任で済ませてしまうのでしょうか。

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