オーストリアでヘルメットの着用義務化?

先日お伝えした記事の事故に関連するニュースです。

> Riesneralm でスキーヤー同士衝突死亡事故 2009/01/02



【ウィーン16日共同】スキー大国のオーストリアで、一般のスキー客に安全対策としてヘルメット着用を義務付けるかどうかで議論が起きている。1日に同国のスキー場で起きたドイツの州首相が関係した死亡事故がきっかけ。「義務化は当然」「個人の判断に任せるべきだ」と賛否が分かれている。
事故は東部シュタイアーマルク州のスキー場で発生。ドイツ東部テューリンゲン州のアルトハウス首相(50)が女性客(41)と激突。女性は死亡したが、ヘルメット着用の首相は一命を取り留めた。
地元メディアによると、ザルツブルクやチロルなどの州が着用義務化を検討している。
主要紙プレッセが事故後にインターネット上で2日間行った世論調査では賛成が46%、反対が49%と意見が割れた。8割以上が賛成との調査結果もある。
年間のスキー客が約1000万人のオーストリアでは、スキー場での事故が後を絶たない。これまでもヘルメット着用に関する議論があり、子供の間では着用が一般的で、大人の間にも広がっている。

確かにヘルメットを着用すれば、頭部外傷による重大事故のリスクは減るでしょう。

しかし、ヘルメットは本来、自己のミスによって引き起こされる傷害を防ぐためにあるのであって、対人衝突の際のケガを防ぐ目的ではないはずです。また、ヘルメットをしていても防げない怪我はあります。

ヘルメット着用の義務化よりも、スキー場内での滑走について、きちんとルールとマナーを守ることを周知徹底させることの方がはるかに重要と思います。

私は「ヘルメットを着用することによってその人自身が安全に対して意識を持つことが出来るという効果がある」と思って、ヘルメット着用を推奨していますが、自主的に着用するようでないとその効果は薄いと思ってます。

というわけで、私自身は、パークでの着用・子供の着用以外には義務化には反対です。

今回の一件では、ヘルメットを着用していたチューリンゲン州首相のほうが事故の原因ではないかとされている点がなんとも皮肉ではありますが。そういう観点からすると、ルールやマナーを守らない人が多いがために、危険な他人からの「自己防衛のために」ヘルメットが必要というサイクルになってしまいます。

下記記事を見る限り、アルトハウス氏の過失は相当なものだと思います。
現場写真に双方滑走ルートなどを記載してあります。

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